This Is Love Story
「痴女か!私のバカ野郎!!」
神のように清らかで美しい禅くんを、私の脳内で勝手に汚すなんて!!
なんて破廉恥な!!!
煩悩退散 煩悩退散 煩悩退散……
私が自分で自分の頬を殴ると、佑の前に座る彼女は「ひっ!」と謎の悲鳴をあげる。
「なにこの子!?
佑くんやっぱり趣味おかしいよ!」
「たしかに変なやつだけど…
……俺はそこが好き。昔からずっと…。」
切なそうに目を伏せる佑。
私の弟はなかなかの演技派らしい。
まさか佑にこんな秘めたる才能があったなんて……
私の珍行動と佑の名演技でショックを受けた様子の彼女に、佑はついにトドメをさす。
「今度俺に付きまとったら、通報するから。」
「わ…わかったわよ。
そんな変な女を選ぶ男なんて………
…こっちから願い下げよっ!」
最後にベタな捨て台詞を残して、彼女は去っていった。