This Is Love Story
教室に入ったらまず何を言おうか考えながら、階段を行ったり来たりする。
階段を上がりきればすぐに多目的室。
心の準備が出来ていない。
『お待たせ!飲み物これでよかった?』とか?
『自動販売機すごく列んでて〜』…とか?
だめだ…どれもわざとらしい。
考えれば考えるほどわからない。
あーー!!
…もういいや!どうにでもなれ!
意を決して階段を駆け上がったけど、私が多目的室の扉を開けることはなかった。
教室に近づいた途端に感じられる異様な雰囲気。
背筋がゾクッと凍るようなそんな感覚。
喧嘩なんて知らない私にも、これが殺気というものだとわかった。
複数人から放たれる凄まじいそれは、素人の私にはとても耐えられるものではない。