This Is Love Story
「お前らが、俺らを裏切ったんじゃねぇか…
…あの日、お前らが禅を……!!!!」
負けじと聞こえる雄大の怒声。
いつも私と喧嘩する時とは比べ物にならないほど恐ろしく、怒りを含んだ声。
もう、訳が分からない…。
私はこれ以上何も聞きたくなくて、静かに多目的室を離れて階段を駆け下りる。
『裏切った』
その言葉が何度も頭の中で響く。
自分の意志とは関係なく溢れ出す涙。
震える足でここまで来たけど、もう限界だ。
私は崩れるように階段の踊り場にしゃがみ込んだ。