This Is Love Story
『…もしもし。結衣?』
電話口から聞こえた大好きな声。
この声とも…
今日でさよならしなければいけない。
「禅くん…今日、会えるかな?」
震えそうになる声を、必死にこらえて言った。
いつも通りだったかな…?
ちゃんと言えてたかな…?
「わかった。迎えに行く。」
そんな心配しかなかったけど、禅くんのいつも通りの返事に安堵した。
今日はいつもより早くコンビニに行っておこう。
禅くんたち、結構来るの早いから…。
普段は私が待たせてしまう事が多い。
でも今日は、1分でも1秒でも長く一緒にいたい…。
服も少しだけ気合を入れて、普段はあまり履かないスカートに着替える。
そして、以前凛華がくれた〝あるモノ〟を鞄の中に潜ませた。
最後に少しだけ甘い香りの香水をふって、急いで家を飛び出した。