This Is Love Story
「あれ?
結衣ちゃん、今日スカート?珍しいね。」
助手席に座る棗くんが、振り返って言う。
女の子の少しの変化に気づけるなんて…
さすが王子様だ。
「たまには良いかなって思って…。
……変かな…?」
「似合ってる。可愛いよ。」
いつものキラースマイルで言った棗くん。
はぁ。相変わらずカッコイイです。
「お前……メスゴリラのくせに。
…急に女子ぶってんじゃねーよ。」
雄大が私の怒りゲージを急激に上げるのも、いつものこと。
だからいつも通り…
「痛っ!」
禅くんを挟んで隣に座る雄大に、身を乗り出してパンチを食らわせてやった。
はっ。ざまあみやがれクソ雄大。
ドヤ顔でヤツを見下してやる。
…と、その時………
急ブレーキを掛けて止まった車。
禅くんの前に体を乗り出していた私は、その反動で、自然と彼の胸に飛び込む形になる。