This Is Love Story
伏せていた目を開けて禅くんを見ると、こちらを見つめる目と目が合う。
とても、愛おしそうな目。
こんな目で私を見てくれてたの……?
「結衣…身体、大丈夫か?」
「うん…。大丈夫。」
私がそう答えると、禅くんは優しく私を抱き締める。
「痛い思いさせてごめん。」
どこまでも優しい彼。
涙がでそうになるのを必死でこらえる。
「禅くん…。」
「ん…?」
「……なんでもない。」
この腕に抱かれるのも、今日で最後。
禅くんの体温を、腕の力強さを…
しっかり覚えておこう…。
離れても、いつでも思い出せるように…。