This Is Love Story
丁寧に頭を下げて、その場を後にする。
「あー、ちょい待ち。
─────…君、唐沢結衣チャンでしょ?」
男の言葉に、思わず足を止める。
…なんで私の名前を…?
「どんな奴か気になってたけど…
…なかなかいい女だね。」
不気味な笑みを浮かべながら、こちらに歩み寄るあいつ。
なんだか怖くて、一歩後ずさる。
「あの唐沢兄弟に溺愛されて……
──────…月島禅が惚れた女。」
「───…っ。」
なんでそんなことまで!?
奴の指先が私の顎に触れて、全身に一気に鳥肌が立つ。