This Is Love Story








丁寧に頭を下げて、その場を後にする。











「あー、ちょい待ち。

─────…君、唐沢結衣チャンでしょ?」









男の言葉に、思わず足を止める。

…なんで私の名前を…?










「どんな奴か気になってたけど…

…なかなかいい女だね。」








不気味な笑みを浮かべながら、こちらに歩み寄るあいつ。

なんだか怖くて、一歩後ずさる。









「あの唐沢兄弟に溺愛されて……

──────…月島禅が惚れた女。」






「───…っ。」











なんでそんなことまで!?

奴の指先が私の顎に触れて、全身に一気に鳥肌が立つ。







< 294 / 631 >

この作品をシェア

pagetop