This Is Love Story
そこにいたのは、息を切らした棗と雄大。
二人に涙を見られたくなくて、俺は咄嗟に彼らから背を向けた。
結衣と別れてから荒れまくった俺は、毎日喧嘩三昧で倉庫に行く機会もめっきり減った。
そしてそのまま高校を卒業して龍王を引退。
彼女に振られて勝手に荒れて、俺はチームを捨てたも同然なのに…
そんな無責任で情けない俺でも、龍王の奴らは変わらず慕ってくれた。
「おいこら、禅!
バイク事故とかまじでやめろよな!?
…心臓止まるかと思ったわ、アホ!」
背を向ける俺の後頭部をベジッと叩く雄大。
「悪ぃ。…手元狂った。」
未だに涙を止めることができない俺は、二人の方を振り返ることなく答える。