This Is Love Story
お父さんとお母さんは血縁関係のない私を、
たくさんの愛情でここまで育ててくれた。
たかが婚約くらいじゃ、この恩なんて返しきれない。
今までお世話になった分、私も何か唐沢組の役に立ちたいと思うし…
きっとその手段がこの婚約なんだ。
この婚約で少しでも恩返しが出来るなら…
私は喜んでこの話を受ける。
たとえそれによって、彼を諦めることになったとしても…
「私…誰がなんと言おうと婚約するからね。」
そう宣言することで、自分の中にある彼への
恋心にも言い聞かせた。
私の言葉に、お父さんは申し訳なさそうに笑う。