This Is Love Story
こんな中途半端な気持ちで婚約なんて、最低だってわかってる。
でも…自分の境遇を知った今、私に婚約以外の選択肢はない。
「…じゃあ、佑に用事があるから戻るね。
婚約式の日程が決まったら教えて。 」
私はそれだけ言って立ち上がると、一度お父さんの方を見据える。
そしてゆっくりと頭を下げた。
「…私のお父さんになってくれて、
本当にありがとうございます。」
育ててくれてありがとう。
私に素敵な兄弟をくれてありがとう。
…私に、家族をくれてありがとう。
深々と礼をし顔を上げると、お父さんは瞳いっぱいに涙を浮かべていた。