This Is Love Story
「もう!
次謝ったら、1週間口きかないからね?」
あまりにも小さな父の背中を、もう見ていられなくて…
私が腰に手を当ててそう言うと、お父さんは面白いほど慌てふためく。
「それはだめ!
結衣ちゃん冷たいこと言わないでー!」
目を腕で隠してわざと泣き真似をするお父さんに、私も笑みが零れた。
本当にこの愉快なおじさんが、全国屈指の極道の組長なのか…
時々本気で疑ってしまうけど、やっぱり我が家はこうでなくっちゃ。
辛気臭い雰囲気は唐沢家には似合わない。
両親のことも…
そして、佑のことも…
今までのようにずっと佑や昴兄と兄弟でいたいとか…
佑が私のことをどう思っているのかとか…
ただの私のワガママなのかもしれないけど。
きちんと佑と話そう。
そして、しっかり佑の本心も受け止めて、今度こそ本当の姉弟になれるように…