This Is Love Story
私は、両親につづいて客間に入った。
広々とした畳に置かれた、立派な木のテーブル。
その前には、二人の男性が立っていて…
─────ドクン…
心臓が鈍く鳴った。
え…
どうして…
「結衣、挨拶しなさい。
月島組の若頭、────月島禅くんだ。」
なんで禅くんが───…?
漆黒の瞳がこちらをじっと見据えていた。
相変わらず、非の打ち所が無いほど綺麗な顔。
そして絶対的なオーラ。
間違いなく、私のよく知る彼だった。
久しぶりに見た彼は、袴のせいか以前より一層大人っぽくなっていて…
まるで知らない人みたい。