This Is Love Story










「久しぶり、結衣。」




「え、あ…うん。」








彼に会ったら言いたいことなんて、山ほどあったはずなのに…

驚きのあまり言葉を失う私。



そんな私の腕を、佑は後ろから力強く引いた。

そしてそのまま私は、佑の腕に抱き止められる。








「…佑?どうしたの?」








あきらかに様子がおかしい佑に、お母さんは心配そうに尋ねた。

だけど佑はその問いにさえ答えることなく、ただじっと目の前の彼を睨みつける。





佑の気持ちはよくわかる。

〝敵〟である彼が、自分のテリトリーの中に入っているんだから…


誰だって警戒するのは当たり前だ。




佑から発せられる僅かな殺気に、部屋の中は異様な空気に包まれる。








「…佑、やめろ。

お客様の前だぞ?」







昴兄が横からそうなだめても、佑は私を抱く腕をより一層強めるだけだった。











< 407 / 631 >

この作品をシェア

pagetop