This Is Love Story
「久しぶり、結衣。」
「え、あ…うん。」
彼に会ったら言いたいことなんて、山ほどあったはずなのに…
驚きのあまり言葉を失う私。
そんな私の腕を、佑は後ろから力強く引いた。
そしてそのまま私は、佑の腕に抱き止められる。
「…佑?どうしたの?」
あきらかに様子がおかしい佑に、お母さんは心配そうに尋ねた。
だけど佑はその問いにさえ答えることなく、ただじっと目の前の彼を睨みつける。
佑の気持ちはよくわかる。
〝敵〟である彼が、自分のテリトリーの中に入っているんだから…
誰だって警戒するのは当たり前だ。
佑から発せられる僅かな殺気に、部屋の中は異様な空気に包まれる。
「…佑、やめろ。
お客様の前だぞ?」
昴兄が横からそうなだめても、佑は私を抱く腕をより一層強めるだけだった。