This Is Love Story
『俺ん家の近くの、裏路地……
…情けねぇけど……ボコボコにやられて、
しばらく…こ、こから動けそうにねぇ…。』
苦しそうな雄大の声。
はやく手当をしないと、大変なことに…
「待ってろ…。すぐにそっちに────」
『────お前は、結衣の所に行け…。
……黒薔薇だ。結衣は、そこにいる…』
〝黒薔薇〟
その言葉に胸が鈍い音を立てた。
最強で、最悪の族。
武器や汚い手を使うのは当たり前。
バックに裏社会の組織がついているという噂まであるほどだ。
そんな所に今、結衣がいるなんて…
今すぐ助けに行かねぇと…
何をされるか分からない。
結衣…結衣……
「悪ぃ、雄大。
……すぐに棗をそっちに向かわせる。
それまで我慢しろよ?」
『…あぁ。
結衣のこと、絶対に助けてくれ…』
「あぁ。必ず連れて帰る。」