This Is Love Story
こいつの妹への想いは本物だ。
だからこそ、結衣を守るために一緒に戦う相手はこいつしかいないと思った。
結衣のためなら、唐沢兄弟は必ず動く。
…そう確信していたから。
ただひとつ問題は…
〝敵〟である俺の言葉を、冷静で慎重なこいつが信じるかどうか。
俺も雄大からの連絡を受けただけで、それが事実である証拠なんてない。
『結衣が誘拐されたって……
一体どういう事だ?』
「俺も、今雄大からの連絡で知ったから…
詳しいことはよく分からねぇ。
けど、…犯人は黒薔薇だ。」
『黒薔薇……』
俺の簡潔な説明を受けて、唐沢昴はしばらく黙り込む。
やっぱり…敵の言葉を信じさせるのは、さすがにキツかったか…?
でも、諦めるわけにはいかねぇ。
結衣を無事に助け出すためには、こいつらの力が必要不可欠だ。