This Is Love Story
「敵の言葉を信じろとか言われても、無理だとはわかってるけど───…」
『────いや、信じるよ。』
「…は?」
電話口から聞こえた予想外の言葉に、俺は思わず素っ頓狂な声を出す。
今、こいつ「信じる」って言ったか…?
「なんで…」
何故そんなにもあっさり受け入れられる?
…俺ら、敵だろ?
『俺も最初は、罠かと思ったけど…
お前が結衣に本気なのは、見ればわかる。
…そんなお前が、くだらない罠のために結衣を利用したりしない。』
そう堂々と断言した唐沢昴。
この決断力と洞察力。
敵ながらにあっぱれだった。
『ただ、言っておくけど…
お前に協力するわけじゃないからな。
俺たちはただ、帰りが遅い妹を迎えに行くだけだ。』