This Is Love Story
──────パァァアン!!
「…ぐっ…ぁぁあ!!」
突然、後ろの方から聞こえた銃声。
その音とほぼ同時に郷田の呻き声が聞こえ、郷田の手からナイフが離れる。
銃声がした方を振り返ると、そこに居たのはさっきの唐沢の組員。
やっぱり、あの人どこかで…
「お嬢!!」
彼の一言で、さっきまでぐったりとしていた結衣は、郷田の手に思い切り噛み付く。
「…いってぇな!このクソ女ぁぁ!!」
…今だ!
郷田の手が結衣から離れたのを見て、俺はすぐさま結衣の元へ駆け寄った。
そして、結衣目掛けて飛んでくる拳を手で受け止めると、郷田の鳩尾に全力で拳をねじ込む。