This Is Love Story











「よく頑張ったな、結衣。」






昴が結衣の頭を優しく撫でると、彼女は涙を浮かべながら笑う。








「祥さん、結衣を頼む。」




「御意。」







昴の指示に、さっきの唐沢組員はすぐさま結衣を抱き上げる。









「お嬢、すぐに病院に…」






「────ちょっとちょっと。

さすがに銃は反則でしょ?」









フラフラと立ち上がった郷田は、〝祥さん〟と呼ばれた彼の方を見据える。









「安心しろ、実弾じゃねぇから。

それに…先に武器を出したのはどっちだ?」







静かにそう言う〝祥さん〟からは、激しい怒りと殺気が感じられた。



さすがは本職だ。

そこらの暴走族とはわけが違う。



郷田も微かに怯んだのがわかった。










< 473 / 631 >

この作品をシェア

pagetop