This Is Love Story
「よく頑張ったな、結衣。」
昴が結衣の頭を優しく撫でると、彼女は涙を浮かべながら笑う。
「祥さん、結衣を頼む。」
「御意。」
昴の指示に、さっきの唐沢組員はすぐさま結衣を抱き上げる。
「お嬢、すぐに病院に…」
「────ちょっとちょっと。
さすがに銃は反則でしょ?」
フラフラと立ち上がった郷田は、〝祥さん〟と呼ばれた彼の方を見据える。
「安心しろ、実弾じゃねぇから。
それに…先に武器を出したのはどっちだ?」
静かにそう言う〝祥さん〟からは、激しい怒りと殺気が感じられた。
さすがは本職だ。
そこらの暴走族とはわけが違う。
郷田も微かに怯んだのがわかった。