This Is Love Story
「頼もしいな。
…ありがとう、祥さん。賢一郎。」
「悪ぃな、賢。
…行くぞ、兄貴!」
「うん。
……結衣、もう少し頑張れよ。」
唐沢兄弟は、運転手をひとり連れて車の方へと走っていった。
正直、俺も結衣のことが心配で仕方がないけど…ここは家族が付き添うべきだ。
「あらら。結衣チャン行っちゃった〜。
まぁ、ずっと苦しそうだったからねぇ〜」
ニタニタと笑う郷田に、殺意が湧いた。
何笑ってんだよ。
…お前が結衣を傷つけたんだろ?
何の罪もない結衣を、あんなにも傷だらけにして…
俺はとりあえず、こいつをもう1発殴って…
「────月島禅さん。」
拳をキツく握り再び戦闘態勢に入ったと同時に、〝祥さん〟に呼び止められる。