This Is Love Story
「佑、どうする?」
昴のその言葉に、佑はぐったりとする結衣を切なげに見つめながら言った。
「…今は、結衣のことを第一に考える。」
弱々しく彼女の手を握る佑の声は、少しだけ震えていたような気がする。
そんな佑に、昴は優しく笑って頭を撫でた。
「…乗れ、月島。」
「あぁ、ありがとう。」
結衣の隣を俺に譲った昴は、そのまま助手席に乗り込む。
「出せ…」
「御意。」
昴の言葉で発進した車。
荒い山道。
揺れる車内の中で、俺はただ彼女の手を握っていた。
結衣…もう少しだから。
もう少しだけ頑張れ…
その夜は、ぼんやりとした月明かりがやけに不気味だった。