This Is Love Story







そんな唐沢一家に向かって、雄大は勢いよく頭を下げた。



あのプライドの高い雄大が、〝敵〟である唐沢兄弟に自ら頭を下げたのだ。

俺はそんな雄大の姿に、正直驚いて…







「…結衣が連れ去られた時、一緒にいたのは俺なんです。

…守れなくて本当にすみせんでした!!」







雄大の瞳からは、大粒の涙が零れ落ちる。


そんな雄大の隣に、俺と棗は並んで立つ。

そして同様に深く頭を下げた。











「俺のせいで娘さんをこんな目に遭わせて…本当にすみませんでした。

月島組若頭ではなく…龍王の元総長として、お詫び申し上げます。」








もし俺と出会わなければ、彼女がここまで傷つくことはなかったのかもしれない。


…家族や友達に愛され、毎日幸せそうに笑って…

もっと平穏に暮らせていたのかもしれない。














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