This Is Love Story
「…俺を庇ったせいだ…っ…」
そう呟いた雄大の声すらも、今の俺には聞こえなくて…
結衣が意識を戻さないかもしれない…?
あの笑顔を見ることも、声を聞くことすら、もうできない…?
止まった思考回路で、やっと今の状況を理解した時…
俺の頬に一筋の涙が伝った。
無意識のうちに流れた涙だった。
頬を伝ったその温もりが、この状況が夢ではなく現実なのだと告げているようで…
それから堰を切ったように、次々と涙が零れ落ちる。
「…っ……」
まるでダムが崩れたように溢れ出る涙。
止めようと思っても止めることは出来ない。