This Is Love Story
そしてその場に着いても誰もいなくて…
昴の姿を探し、すぐ側の路地裏まで回ったその時……
背後から鉄パイプで殴られ倒れ込む俺に、覆面姿の複数人の男たちが一斉に殴りかかる。
「…ぐっ……うぅ…………」
起き上がることも出来ずに全身を何度も蹴られ、意識も朦朧とする。
「っ……」
その朦朧とする意識の中で、微かに聞こえた昴の声。
「─────……仲間だと思ってた?」
顔は見えなかったけど、背格好と声が、俺の知っている昴そっくりだった。
だから思い込んでしまったんだ…。
“唐沢昴に裏切られた”のだと…。