This Is Love Story
「結衣、佑。おはよう。」
私の真正面から聞こえた声。
この声の主は唐沢昴(カラサワ スバル)。私の兄だ。
昴兄は私たちと同じ高校に通う三年生。
優しくて、賢くて、かっこよくて、非の打ち所のない自慢の兄。
「おはよう昴兄。
今日も世界一かっこいい。」
「ははっ。はいはい。
結衣もかわいいよ。」
昴兄は楽しそうに笑いながら、その大きな手で私の頭を優しく撫でる。
こんなお世辞まで言えちゃうんだもん。
女の子たちからモテないわけがない。
「お。結衣、やっと起きたか。」
「もう、遅いわよ。結衣。」
このやたら美形なお二人は私の両親。
父、唐沢要(カラサワ カナメ)。40歳。
母、唐沢桃子(カラサワ モモコ)。39歳。
組員の人や私の知人いわく、昴兄はお父さん似で、男らしい顔つき。
佑はお母さん似で、美少年?らしい。
…まぁ、どちらにしろ二人がモテるのには変わりないんだけど。
私は…どっちに似てるんだろう?
自分ではよくわかんないや。