This Is Love Story
あー。これも月島さんのせいだ。
月島さんがあんな笑顔を見せるから。
……あんなに、ドキドキさせるから……。
先生のお説教なんて聞いてられない。
小さく「はぁ」とため息を吐きながらチラッと横を見ると、佑と目が合った。
すると佑は自分の唇を指差して、ゆっくりと大きく口を動かした。
…ん?私に何か言おうとしてる?
私は佑の口元をじっと見る。
「ば」
「か」
確かにそう動いた佑の口。
ばか?…バカ?
『馬鹿』…?
え、今この子、馬鹿って言った??
「……はぁぁあ!?
私、佑よりちょっとだけ成績いいし!!」
仮にも、姉に対して「馬鹿」は失礼すぎる!
私は今が説教の最中ってことも忘れて佑に言い返していた。