This Is Love Story
昴兄と佑はもっとしんどい思いしてきたんだろうなー、なんてしみじみ思う。
「ごちそうさま。美味かったよ。」
「ごちそーさま。」
私が色々考えているうちに、いつの間にか朝食を食べ終えていた二人。
「結衣、早く食え。置いてくぞ。」
急かしてくる佑を横目で睨みながら、最後のひと口を頬張った。
私たちは毎朝バイクで通学している。
普通はそんなの有り得ないんだけど、うちの学園は基本的になんでもあり。
「結衣、今日は俺の後ろ乗るか?」
自慢げに言った佑だけど、私はまだ死にたくない。
「…やだよ。
あんた、免許取ったばっかりじゃん。」
今は5月。
佑の誕生日は3月だから、免許を取ってまだ
少ししか経っていない。
だから今日も私は昴兄の後ろ。
昴兄に抱き上げられて、バイクに乗せてもらう。
「結衣、しっかり掴まって。」
「うん。」
私は昴兄の大きな背中に、ぎゅっとしがみついた。