This Is Love Story
食べてもらえるかわからないけど、今度倉庫に持って行ってみよう。
混ぜた生地を型に流し込んで、熱したオーブンに入れる。
──────ガラガラ…
オーブンのボタンを押したと同時に、キッチンの扉が開いた。
「やっぱり、ここにいたんだ。」
「昴兄っ!」
入ってきたのは昴兄で、私は嬉しくて彼に飛びつく。
だって今まで寂しかったし!
組員の人たちも家にいたけど、やっぱり家族がいるのといないのとでは、寂しさがまったく違うと思う。
「おい結衣、兄貴から離れろ。」
「佑、妬かないの。」
「結衣、久しぶり。」
「やっほー結衣。昨日ぶりー。」
なぜか不機嫌な佑の後から、次々と顔を覗かせる人たち。