わたしのキャラメル王子様・番外編
雲の切れ間から覗いた光がセピア色の雨に反射して、辺りが目映く輝きだす。
子供の肩を抱いていた手がゆっくりと離れ、重なっていた体と体が離れていく。
子供の小さな背中には
濡れてみすぼらしく畳まれた羽があった。
ゆっくりと羽を広げると、それはとても大きく立派で
その白さがわずかな陽の光のすべてを弾くように、はるか足元の先にある下界を照らした。
子供がもう一度隣を見上げると
彼の口元は、優しく微笑んでその視線に応じた。
見返してわかった。
当麻君が欲しがっているものが何か。
ルークと悠君が向き合うと、性別とか年齢とかの基準がどこにあるのか一瞬わからなくなる。
不思議な異空間に引きずり込まれる気がするんだ。