わたしのキャラメル王子様・番外編
悠君はうつむいたままの私の髪を撫でてくれた。
「沙羅、こっち向いて?」
意地悪で甘い声が
すぐそばで聞こえてる。
でも素直に顔を上げられるわけがない。
だって本来のカット割のままのMVが世に出れば、世界は平和に近づくかもしれないって本気で思ってんだぞこっちは。
「悠介は沙羅のもの。はい続けて言ってみ?」
「そんなこと言えるわけないじゃん」
「つまんねー、付き合い悪ぅー」
「つまんなくっていいんですっ」
悠君を独り占めしちゃいけない。
それなのにさ。
「ちょっとくらい束縛しろよなー」
髪をクシャっとされてそんなこと言われたら、簡単に決意揺らぐじゃん。