わたしのキャラメル王子様・番外編
「ここ、セリフがあるの?」
「いや、それがなんもなくて。とにかくルークの注意を引く言葉をなんでもいいから言ってって。完成したのにも声は入れないんだって」
「そうなんだ」
ルークの眼差しは、すごく真剣だった。
優しい目をして
悠君は彼にどんな言葉をかけたんだろう。
「正解はね」
「なになに?」
「『お布団に土足であがってはいけません』でした~!」
「こんなアンニュイなシーンで?」
「あいつがこれから日本でやってくなら大事なことじゃない?俺ちっちゃいとき友達の家に土足で上がって嫌われたことあるし」
「そうなんだ?」
どこまでもマイペースだなぁ、悠君って。