わたしのキャラメル王子様・番外編

とりあえず列に並んだけど、
前も後ろも右も左も女の子ばかり。



悠君、きっと居心地悪いだろうな。
背が高いうえにスタイルがいいからやけに目立つ気がするし。



さっきから周りの女の子たちがこっちを見てるもん。悠君はちっともそれに気づいてなさそう。
もしかして、慣れちゃってたりして。



釘づけになるって、
まさにこの視線のことだよ?
みんなのため息がここまで聞こえるもん。



確かにそのコートの丈をさらりと着こなせる男の子はそうそういない。



悠君は誰もが認めるイケメンだし、何着たってモデルみたいに様になる。
美形だから、意外と近よりがたいタイプなのかもしれない。
ほんとはものすごく人懐っこいのにな。



「ねぇ、首のそのモフモフしたやつなんていうんだっけ」



悠君について考察していたら声をかけられた。



「え、これ?スヌードっていうんだよ」



悠君と目があう。
やっぱり彼は女の子たちの熱い視線に無頓着みたい。
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