わたしのキャラメル王子様・番外編

「沙羅が雪山で遭難したウサギみたいに見える」



「確かに白いのに埋もれてるけど、遭難はないでしょ」



語彙力なさすぎかー!



「寒そうにしてるとソワソワするじゃん」



「なんで?」



「なんでって、お手々フウフゥしてるのがなんかいじらしくって」



「いじらしい?」



確かに指先はかじかんだままだけど。



「だからね、あっためてあげたくなる」



冷えきった私の右手はあっけなく悠君に奪われて、彼のコートのポケットのなか。



「ほらやっぱ冷え冷えだった」



ダメだ、恥ずかしくって
嬉しくて、にやけちゃう。
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