わたしのキャラメル王子様・番外編
「じゃ、待っててね」



「うん♪」



列から抜けて空を見上げると、今にも雨が降りそうなほどくすぶった色をしてた。



これが雪に変わったらさすがの悠君だってきっと凍えちゃう。



急いで最寄りのコンビニに駆け込んだ。
温かい飲み物を2つ買ったらすぐに列に戻るつもりで。



なんで言うこと聞かないの?って怒るかな。こういうとき、素直に甘えてくつろいで戻るのが正解なのかな。



そうできたら可愛くなれるのかも。愛される女の子になれるのかも。
でも、私の性格上たぶんそれは無理。



飲み物を手にしてレジに向かおうとした時、スマホが鳴った。メールの通知音だ。
なんだろう、なんとなく開けてみた。



『入来沙羅様。
本日は当サロンをご予約いただき誠にありがとうございます。

ご予約30分前となりました。
事前にカウンセリングをさせて頂きますので、時間に余裕をもってお越し下さい。
スタッフ一同心よりお待ちしております』



「なに?これ」



思わず声が出た。



ショップ名に見覚えすらない。
でも支店名がこの建物で、
場所は三階フロアになってる。



私のフルネームも入ってるし、なんか怖い。何かの間違いだと思って、飲み物を戻すとあわててそこに電話をかけようとした。
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