わたしのキャラメル王子様・番外編
「あげるって……冗談だよね?」
目がテン!
「本気だよ。価値観は人それぞれでしょ」
悠君は真顔で私をみつめてそう断言した。
「あんなもん持ってたら人混みで沙羅のこと守ってあげられないし、あと手が繋げないじゃん」
「あんなもん、ってファンの前でそんなこと言っちゃ」
「もう!ごちゃごちゃうるさい」
少しふてくされてそう言った悠君は、強引に私の手を取った。
大きくてあったかい大好きな手が、居心地の悪かった場所から私を連れ出してくれた。
「写真なんか撮ってどーすんだろ、アイツと違って一般人の俺なんてなんの価値もないのに。それに俺は沙羅のものでしょ?」
悠君はそう言って笑って、後ろにいる女の子たちにわざと恋人つなぎをみせつけた。