わたしのキャラメル王子様・番外編

「……どーした?」



熱い。とても。



「部屋暖めないとね」



ベッドでゆっくり休ませてあげたい。きっと今日1日慣れない場所でいろいろ奮闘させられて、身体が悲鳴をあげてるんだ。



帰国してからたったの数日しか経っていないし、もしかしたらまだ時差にすら慣れていなかったかもしれない。それなのにきっと、私のために無理してくれたんだ。



「……他に、何かできることない?」



「隣の部屋にいてくれればそれでいいよ」



「なんか遠いなぁ」



「そんなことないって」



なぜだかニューヨークより遠くに感じちゃう。悠君は、目の前にいるのに。



「何もさせてもらえないなら一緒に寝込みたい」



「はい?」



「悠君のしんどいの、私にもわけてほしい」



悠君のマスクをひっぺがすと、
思い切り背伸びして、彼に無理矢理キスをした。
< 53 / 141 >

この作品をシェア

pagetop