わたしのキャラメル王子様・番外編
「なんでもいいから準備しちゃおうよ!」



グッズ列に早く並びたい一心で、私は悠君のシャツにボタンを付け始めた。
物販、何時間も並ぶって聞いたんだもん。



私より当麻君にハマってる京ちゃんのために、お土産を買ってあげたい。



裁縫に集中してたら、悠君が私の顔をじっと見ていることに気づいた。



「なに?」



「いや、なんでもない」



目を逸らされて……ちょっとショック。



でもあのまま見つめられたら緊張して指を縫っちゃってたかも。悠君の熱い眼差しは……危険だ!



「なんか真剣だね」



「ふざけながら縫い物できるほど器用じゃないもん」



「沙羅のそういうとこ好き」



「へ?」



「横顔に見とれちゃった」
< 6 / 141 >

この作品をシェア

pagetop