わたしのキャラメル王子様・番外編
「沙羅……」
「いるよ、ここに」
ほら、うわ言で名前を呼ぶなんて反則だし。
ぎゅっと熱い手を握った。
吸いとってあげられたらいいのになぁと、思う。
繋いだ手を伝って、悠君のしんどいモノすべてがこっちに流れ込んできたらいいのにって。
ねぇ悠君。
溢れだしそうなこの気持ちのやり場がわかんなくて、時々せつなくなるんだ。
ほんとは今夜、もしかしたらって
ちょっとだけ、覚悟してたんだけど。
着ているニットの襟ぐりを少しつまんで、その隙間から中を覗いてみた。
これのお披露目の日がいつか来るのかな?
張り切ってたみたいでなんかものすごく恥ずかしい。
だけどね、初めては悠君がいい。
それだけは、ぜったいだもん。