わたしのキャラメル王子様・番外編
手に入れたい
「うーん……んん?」
あのあとシャワーをさっと浴びて気が緩んじゃったのか、思いっきり眠ってしまったらしい。
鳥がさえずってるし、もう朝。
あれ、ここ私のベッド?
悠君の部屋のベッドサイドにいたはずなんだけどな、って?
「おはよーの、ぎゅーっっっ!」
「えっ、なっ、なんで??」
私は自分の部屋のベッドのなかにいて、後ろから悠君に抱きつかれていた。
「なんでって、夜中に目が覚めたら沙羅寝ちゃってたからゆっくり休ませてあげようと思ってこっちに運んだんだよ」
「えっ、そうだったの?」
「そうそう、お姫様抱っこで大事に運びました」
「それほんと?うそっ、全然まったく覚えてない!」
なんてもったいないんだぁ。
人生初のお姫様抱っこだったのに。
なんて失態!!
「覚えてないのがそんなにショックなの?」
「うぅぅ。初めてだったの。憧れてたのっ!」
「いつでもしてあげるけど?」
「そういう問題じゃな……」
って興奮しすぎてうっかり振り向いちゃった!
「あーっと、えっと……お、おはよ」
「おはよ♪」
おでことおでこがごっつんこ。