わたしのキャラメル王子様・番外編
「来月発売の初の写真集ってセクシーショット満載を売りにしてんだよね。内容がそれとあってるでしょ?」
「合いすぎてるし、きわどすぎるなこれ」
はだけてるのが胸だけじゃないんだもん。腰周りがはだけてるなんて、刺激強すぎだよ!
とかいいながら
赤面しつつガンガンページをめくってしまった。すごくキレイなんだもん。目も心も奪われる感じ。
すべてめくり終えたら、
背表紙の内側にサインがあることに気がついた。
「京ちゃんこれ……」
「うわ、なにそれ!もし直筆だとしたらやっぱこれ、まだ世間に流通してない写真集の初版だよ。佐野君もしかして、昨日当麻と遭遇したんじゃないの?」
「えーっ!なんで!いつ?」
「可能性があるとしたら迷子を助けた時かな。運営に接触したよね?」
「……確かに」
「そのときなんかあったんだよきっと!だとしたらカラーボールだって、当麻が佐野君に向けて投げたのかもしれない、な~んて♪」
京ちゃんは面白がってふざけ出す始末。
「それ、妄想力すごすぎて笑えないよ。これってきっと事務所がタレントを売り込むときに使う、宣伝材料みたいなやつだよ、サインはコピーって考えた方が自然じゃない?最近のは凝ってるって聞いたことあるし」
「だよね~、そんなことありえないっか~」
てへへと京ちゃんが笑ったから、私もつられて笑ったけども。
「そういえばまとめが面白すぎて、肝心の当麻の公式ブログチェックしてなかったな。なんか面白いこと書いてないかなぁ」
SNS大好きな京ちゃんは、もうスマホに夢中になっていた。