わたしのキャラメル王子様・番外編
スキキライ
外はすっかり暗くなってしまった。
ひたすら寒い。
これからデートだっていう京ちゃんと別れて、賑やかで明るい街をひとり歩く。
悠君と険悪ムードになりたくないな。
ほんとにオファーされたのかな。
なんでそのことを話してくれないのかな。
バックステージには入らなかったって言ってたし、もしオファーされてたとしてもちゃんと断ったって信じていいよね?
だって受験生だよ私たち。
そんな余裕ないはず。
優先順位があるとしたら一番は勉強だし。
そうだ、ケーキ買って帰ろう。
甘いものを食べながら話せば、喧嘩せずにすむような気がする。
たった今食べたばっかりだけど
今日だけは無礼講で何個でも食べてよしとしよう。
落ち着いて、責めたりしないで話を聞かなくちゃ。
隠したり、嘘をついたりしてることにはちゃんとした理由がある。
それはもうわかってるから、話しを聞けば悠君が何を考えているのかちゃんと理解できるはず。