わたしのキャラメル王子様・番外編
「沙羅に見せたくなくて」
「なんで?」
「相沢さんにもそう伝えるつもりだったのに。あの電話がきたせいで」
私の質問まるっと無視されて
悠君はただ肩を落としてる。
「あのね、写真集を見た見ないはどうでもよくて」
「は?そんなわけないじゃん。彼女にあんなもん見せられるか」
「そんなことよりその電話なに?誰からだったの?」
我慢していたハテナマークの数々が、押さえきれずに飛び出してしまった。
「それはなんかアイツの事務所の人。迷子届けてあげたのに身元確認ってのも今思えばおかしいね。沙羅はうかつに身分証出しちゃダメだよ?」
「悠君は身分証……うっかり出しちゃったのね」
「……うん」
そりゃ電話もかかってくるはず。
「もしかして何か……オファーされた?」
こわい。
返事がこわい。