わたしのキャラメル王子様・番外編
彼女にはMV出演のことを話していいって悠君が言ってくれたから、とっくに全てを話してあった。
京ちゃんが見た目に反して常識と分別のある子だって、ちゃんと悠君がわかっててくれたことが何気に嬉しかったな。
「ねぇ3学期始まったら悠君て転入生として戻ってくるでしょ」
「うん、それが?」
「1年生が騒ぐと思うと落ち着かなくって」
オレンジジュースにストローを挿す。
あぁ、またため息。
この悩みから逃れたいのもあって、
無我夢中で勉強してるって自覚さえある。
だって今の1年生は悠君があっちに行ってから入学してきた子達。
つまり彼の存在を知らない。
悠君が戻ってきたら、
3年の廊下がざわつくに決まってる。
またモテちゃうのかなって思うと、楽しみだった新学期が瞬く間に憂鬱になった。
「てかさ、学年関係なくとりあえず女子は騒ぐでしょ~」
京ちゃんはすごい吸引力でシェイクを吸い上げた。
「あぁ、そっか。そうだよね~うぁぁ」
そのままテーブルに雪崩れ込んで突っ伏してしまう。
なんなら学食のおばちゃんたちのメイクも心なしか濃くなると予想。