わたしのキャラメル王子様・番外編

それにしたって思い出すだけで赤面しちゃう。
あのときのこと。



緊張してかちこちになってる私に、悠君は優しく話しかけてくれた。無理しなくていい、って言ってくれた。



恥ずかしさや初めての恐怖と戦わなきゃいけないものなんだってずっと思ってたけど、そうじゃなかった。



言葉も表情も指先も息遣いも。
その他にもあんなことやこんなこと。
二人だけの特別で秘密で。
とてもじゃないけど誰にも言えないや。



鼻の下伸ばして当麻君の写真集を眺めるのとは訳がちがった。



悠君と活動時間がすれ違ってるくらいで実はちょうどいいのかもしれないな。



だって照れくさくて
たぶん面と向かって顔なんか見られない気がする。
でも、幸せと不安は常に背中合わせ。



「京ちゃん、それより相談があるんだ」



「なになに、次は何?」



私は鞄からタブレットを取り出した。



「これなんだけど」



それは当麻君の事務所から悠君が持たされたもので、あっちからの連絡を受けとるためのものだった。

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