暴君陛下の愛したメイドⅠ【完】
………………準備万端。
女は唇の端を引き上げ、自信げにほくそ笑んだ。
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月日は早いことでついにパーティー当日を迎えてしまった。
何とか図書館にてマナーは学べたものの、陛下の横でしっかりできるのかと言う不安は未だに心の中を回っていた。
パーティーは夜からで、まだだいぶ時間がある。
私は再確認ということでパーティーで踊る事があるかもしれないダンスを使用人達と頑張って練習していた。
「男役は難しいですね……」
「練習に付き合わせてしまって申し訳ないわ。相手がいないもので…」
この宮殿で知っている男性といえば数が限られてくるし、そもそもそこまで親しくもないので頼めない。
その前に今はメイドではないから、向こうに取ったら初対面になるしね……………。
そうなると結局使用人に頼むほかなかった。