暴君陛下の愛したメイドⅠ【完】
綺麗な音楽に合わせて、軽やかにステップを踏む。
回す手も使用人とは違って高い位置にあり、身長が高いせいか目線の方も上になる。
「そうでございます。上手です」
ここでターン。
宰相様も社交ダンスをした事があるのか、とても上手くリードしてくれてるので、とても踊りやすい。
「陛下のご機嫌はいかがですか?」
「いつもと変わりなく元気でいらっしゃいますよ」
「それは安心致しました。アレから会っていないもので……」
図書館の時から忙しくてあまり会えていない。
噂に聞けば荒れ果てた辺境の地を制したとかなんとか……………。
宮殿では『流石、陛下だ!!!』と兵士や官僚達から称賛されていた。