暴君陛下の愛したメイドⅠ【完】
「ところでお主の好みも聞いておこう」
「わ、私の好みですか………っ!?」
「あぁ。この機会でしか聞くこともなかろう」
まさか私の好みも言うなんて……ね。
普通の女の子なら、ケーキやら何やら甘い物やお洒落なものを言うのだろうが、
私の本当の好みとなると少し地味になる。
というか、元は普通の家庭で育った為豪華な食事よりは質素な食事の方が好きだ。
「お味噌スープ………や、豆の煮物………など好きです。後は、お芋を使ったサラダとかですかね?」
「おみそ………か?」
「はい。私の住んでいる地域は国境に近いので、他国での珍しい調味料が手に入るのです。どうやら、大豆を発酵させて作られたものらしいですが、スープにすると味が効いてそれは美味しいのです!」
まず大豆を発酵させるという発想自体、思いつかないよ。