暴君陛下の愛したメイドⅠ【完】
ステラ王女様は皆の前で恥を欠かされたことが屈辱だったらしく、顔を真っ赤にさせて酷く怒っている。
「……貴女生意気なのよ!!!」
周りも忘れ、
右手を高く振り上げる。
流石に付き添いの2人は騒ぎを大きくさせたらヤバイと思ったらしく、必死に止めようとしているのだが、
怒り狂ったステラ様はそんな声など届かない。
振り上げた手が勢いをまして私へと近づいてくる。
______バチンッ!!!
「……………っ!!」
右頬に鋭い痛みが走る。
ステラ王女様は『逆らった罰よ』と言わんばかりに荒れた息を整えつつ、上から睨みつける。
騒がしかった周りが急に静まり返り、視線は私達に向けられる。
ビンタ音が響きわたったので、周りもこの状況に気づいたのだろう。
私はそう思っていた。
けど、
違った。