暴君陛下の愛したメイドⅠ【完】
まさかステラ王女様があんな行動を取られるとは、
想像すらしていなかった。
ここまで騒ぎが大きくなると分かっていたら………挑発に乗ることもしなかったのに。
「まだ痛むか?」
「へ、陛下………!」
騒がしかった会場はいつの間にか静けさに包まれ、
会場の出入り口から陛下が一人出てきた。
「早いがパーティーはお開きになったようだ。…………行けるか?」
「………………………問題ありません」
「そうか」
明らかにあの後何かがあったのだろう。
こんなに早くお開きになるはずがない。
しかし、そんな事はもちろん聞けず
私は頬を氷で冷しつつ、陛下と馬車が止めてあるという表の門へと向かった。