暴君陛下の愛したメイドⅠ【完】
story2
私が妃!!??
✽
「陛下お帰りなさいませ。…………あの、それは………」
お出迎えに来ていたファンは、馬車の中の光景を見て固まった。
まぁ、当たり前であろう。何せ、
「客室の寝所へ運べ。ファンは執務室へ」
「…御意」
ぐっすりと眠っているアニを使用人達に任せると、すぐさま執務室へ向う。
「一体何があったのですか……」
「別にアニが余の前で眠ってしまったことなど気にしておらぬ」
「いえ、そうでなく……何かあったのでしょう?今夜のパーティーで」
流石幼なじみというか。何も言わなくとも直ぐに変わってしまう。