暴君陛下の愛したメイドⅠ【完】
✽
「陛下…………その……………」
ここへ来たのはいいが、いざ陛下を目の前にすると緊張してしまって言葉が出て来ない。
どう謝ったら許して貰えるだろうか?
そもそも許してくださるのだろうか。
せめて少しでも刑を軽くして頂きたい……。
「そなたにちょうど伝えることがあったのだ」
一人心の中で葛藤を繰り広げていると、陛下からそんな言葉が聞こえてきた。
これはまさしく…………………………私の判決!!!!
「私から先に申し上げても宜しいでしょうか……!」
言われる前に謝っておこう!!
「昨夜はあろうことか陛下の前で眠ってしまった事……お詫び申し上げます!無礼をお許しください……!!!」
必死に頭を下げる。
こんな事をして陛下の気持ちが変わるとは到底思えないけど…………………どうか!!
「……………これはまた驚いた。そのような事で、そのような死人のような顔をしていたのか?」
「…………え?」
「別にその事に関しては怒っておらぬ」
返ってきた言葉は思ってもいない言葉で、思わず目を見開いて驚いてしまった。
「では……………罰を下さらないのですね!?」
「そのつもりだが?昨夜は慣れぬことで疲れていたのだ。仕方あるまい。…………そなたは罰が欲しかったのか?(笑)」
「い、いいえ………!!そんなわけございません!!」
欲しい人なんてそもそもいないよ!!