暴君陛下の愛したメイドⅠ【完】








「陛下…………その……………」


ここへ来たのはいいが、いざ陛下を目の前にすると緊張してしまって言葉が出て来ない。


どう謝ったら許して貰えるだろうか?


そもそも許してくださるのだろうか。


せめて少しでも刑を軽くして頂きたい……。


「そなたにちょうど伝えることがあったのだ」


一人心の中で葛藤を繰り広げていると、陛下からそんな言葉が聞こえてきた。


これはまさしく…………………………私の判決!!!!


「私から先に申し上げても宜しいでしょうか……!」


言われる前に謝っておこう!!


「昨夜はあろうことか陛下の前で眠ってしまった事……お詫び申し上げます!無礼をお許しください……!!!」


必死に頭を下げる。


こんな事をして陛下の気持ちが変わるとは到底思えないけど…………………どうか!!



「……………これはまた驚いた。そのような事で、そのような死人のような顔をしていたのか?」


「…………え?」


「別にその事に関しては怒っておらぬ」


返ってきた言葉は思ってもいない言葉で、思わず目を見開いて驚いてしまった。


「では……………罰を下さらないのですね!?」


「そのつもりだが?昨夜は慣れぬことで疲れていたのだ。仕方あるまい。…………そなたは罰が欲しかったのか?(笑)」


「い、いいえ………!!そんなわけございません!!」


欲しい人なんてそもそもいないよ!!


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